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「俺が望むマブラヴ」〜私が渇望し、希求したマブラヴのかたち〜

最終章

「御剣冥夜…遅れながら推参。案ずるな、タケル。私が来たからには彼奴等の好きにはさせぬ」
言い終えると冥夜はひらりと華麗に砂浜へ舞い降りた。言葉も出せず見守っている、俺と純夏。遙さんはいつものほややんとした感じでにこやかに冥夜を見守る。この人、知ってたんだな…冥夜が来ること。
「鷹嘴、私の大見得のために靴でそなたの愛車を汚してしまった。許すがよい」
「とんでもない、冥夜様。冥夜様のお引き立てができて、こいつも喜んでますよ」
操縦席からは、何食わぬ顔をして運転手が降りてきた。特別宇宙服を着用するでもなく、普通に高級なスーツを着用 してる。冥夜は彼が車から降りたのを確認せずに単身<殲術鬼>ティアマットに向かって疾走していった。
「つーか、ここ宇宙空間にある基地だったよな? 何でリムジンがこんな所まで入って来れるんだ?」
「俺の『送迎最速理論』に到達不可能な場所はないさ。……お前が白銀武か」
クールな容貌の運転手は俺を真っ直ぐ見据えて訊ねた。
「は、はい…俺です。俺が白銀です」
「それで、そちらのお嬢さんが、鑑、純夏さんか?」
「あ、…は、はい」
「そうか、俺は一文字鷹嘴。見てのとおり、冥夜様お付きの運転手だ。まあ、俺には車を飛ばすことしか出来ないが、それに関しては神だろうと悪魔だろうと、宇宙空間だろうと俺の追随を許す気はない。安心しろ、お前達は絶対に俺が生還させる」
鷹嘴さんは至って真顔でさらりと言ってのける。この根拠のない漲るような自信はどこからくるのだろうか。


「はぁぁぁぁぁっっ!!」
声のした方を見やる。冥夜の皆流神威がティアマットの左手を装甲ごと切り落とした。水月さんはあれだけの損傷を受けたにも関わらず左手の落下途中で掌握から抜け出し再び巨剣を振りかざして優雅に着地した。足取りも体の動きも しっかりしている。何て頑丈なんだ、あの人は…
<くっ、人の子の分際で我に刃向かうとは、愚かな……何が汝等をそこまで駆り立てる? 揃いも揃って想い人に選ばれず足掻いてる者同志が、我に刃を向けて>

「私には、守らねばならぬものがある。…そしてその中には当然、タケルと純夏も含まれる。例え私が選ばれなかったとしても、私が戦って二人が笑って暮らせる世界が守れるなら、この世界のために、私自ら戦う価値は存分にある」
言い放つ冥夜が皆流神威を下段に構え、ティアマットの右手の側から疾駆する。

「遙は、あたしのこと、あたしの三年間を認めてくれた。あたしは今でも、孝之が好き。だけど、遙だってあたしの大切な親友よ。そんな二人が幸せになれるんだったら、あたしが暴れまわってあんたをぶっ潰す意味、あるんじゃない?」
水月さんが巨剣を腰溜めの中断に構えたままティアマットの左手の側から疾駆する。

<小賢しいわ、人の子の分際で!>
ティアマットの背中から水流の気弾、魚の形をした水の塊、文字通りの魚雷が一斉発射される。さっきのミサイルより速くて数も多い。しかし、それでも水弾のどれ一つとして二人を掠めることはなかった。捌かれ、切り払われ、或は回避された。
二人が全力で疾駆した砂浜を後手に回って打ち砕く水弾の山。人の子が神を凌駕し、嘲笑うかのように神の膝元に駆け込んでくる。神はただその様を無様に見下ろしていることしか出来なかった。余りに速すぎて。余りに、美しすぎて。二人が水弾を避け駆け回る様は、東京という巨大都市を半壊させ首都機能を麻痺された作り物の神でさえ笑いものにした。

二つの疾走する影がやがて近づき互いを認め合う。
「速瀬殿、そなたには改めて敬意を。先日は敵同士の立場ゆえ、認めること相成らなかった」
「御剣さん、あなたって、ほんと生真面目なのね。…でもそういうとこ、可愛いわよ」
疾駆する二人が数瞬交差する。その折交わされる互いへの言葉と、力強いハイタッチ。そしてハイタッチを交わした瞬間を狙ってティアマットが腹立たしげに渾身の右拳を二人に振り下ろす。瞬間的に振り下ろされた拳は、周囲の人間からすれば残像と、拳から巻き起こる炎と光の渦しか確認できない程に素早かった。地響き、遅れて強烈な打撃音。激しい砂塵。
…二人の姿が見えなくなる。砂塵の向こうに霞んで見えるティアマットの姿しか見えない。
「…どうなったんだ?」
「……」
息を呑む俺たち。砂塵が少しづつ晴れ渡る。そして俺たちの目に入ってきたのは、右手が斬り落とされ、苦しみながら無様にのた打ち回っている<殲術鬼>の姿。

<ぐおおお、何故、何故我の力がこうも及ばぬ?>
仮初の神の腕の左右へ、一閃を決めたまま駆け抜けていた二人の姿。
「ちゃんとした魂の篭ってない作り物のあんたに、あたし達が負けるわけないでしょ!」
冥夜は一閃を決めたままの格好で俺達に向き直り叫ぶ。
「タケル! 純夏! <武御雷>に乗って、二人であの機械仕掛けに止めを刺すのだ!」
「って、今月詠さんが乗ってるだろ!」
加えて言うと、<武御雷>はさっきティアマットに蹴り飛ばされ殴り飛ばされて倒れたままだ。
「あのー……武くん、純夏ちゃん、前のハッチ開いてあるから今のうちに<武御雷>に乗って」
「月詠、しっかりしろ、月詠……気絶してるだけか。脅かすなよ、全く。ほら、お前達、早くしろ!」
俺たちがぼんやり戦況を眺めている間に、遙さんと鷹嘴さんは<武御雷>から月詠さんを降ろし、俺たちが乗り込める ようにコクピットの胸襟を開いて準備してくれていた。
「あ、あの、えっと…」
余りの状況の変化の早さに、俺の頭がついてこない。あー、もう、情けねぇな、俺!
そこで純夏は急に力強く立ち上がり、俺の手を半ば無理矢理引っ張っていきコクピットの中へ駆け込んでいく。
「何だかよく分からないけど、あいつを倒せばいいんだよね! やるよ、タケルちゃん!」
「…あ、ああ」
突然の純夏の気迫にこっちが気圧されそうになる。…やっぱ、こういう土壇場では女の方が強いな。

   *   *   *   *   *

<武御雷>のコクピットの左に純夏、右に俺が座る。少し窮屈な気もしたが、それでも操縦には支障ない。
「……って、二人で乗る意味ってあるのかこれ? 複座型じゃねぇだろ、こいつ」
『複座形態もあるが、その方がよいか?』
コンソール画面に突然冥夜の顔が大写しになった。…そういや、あいつの腕時計って通信機になってたっけ。あの時計からここへ通信ができるのか、なるほど。
「ああ、操縦桿だけなら兎も角、フットペダルまであるから、この座り方じゃ無理だ」
『それならタケル、純夏を抱きかかえて座り直してもらえぬか?』
「はぁ? 何言ってんだ?」
冥夜は俺の問いかけを無視して遠隔操作を開始した。
『<武御雷>、逢瀬が時だ、支度せよ』
その合図に従って<武御雷>の円環の操縦桿レールのひとつ内側の周に、もう一組の操縦桿とレールが床からせり上がって来て正面側まん前の辺りに操縦桿が二本並び、外側に位置する二本の操縦桿は、少し耳につく機械音を立てながら操縦席の奥の方に移動してきた。更には座席がスライドして座席の内側に小さな座席が用意されたかのような形状に変形した…これはつまり、俺の体の前に純夏が座って、二人くっついて操縦するってことか?

「あ、いや、冥夜……何も、俺たち二人が複座にならなくても、お前が一人で操縦すれば済むんじゃないのか?」
『<武御雷>の真なる力を発揮するには、二人で操縦せねばならぬ。…それも、心の通った二人が、な。…私の見立ては間違っておらぬと思うが』
そこまで言って冥夜は口元をにやつかせた。こいつ、俺たちのお膳立てしようって腹だな。最初からお前と月詠さんで操縦してりゃその「真なる力」ってやつは発揮出来る筈だ。それをわざわざ、俺たち二人にやらせようなんて…
「…ごめんね、冥夜。……ありがとう」
『純夏、最初の一言は余分だ。私はそなたに謝られるようなことは何一つない。タケルがそなたを選んだのだから、堂々と胸を張ってよい。私はそなたのことを、互いに胸襟を開いた親友と思っている。親友の幸福は素直に祝福すべきもの…何か間違っているか、純夏?』
通信画面に映る冥夜、冥夜の声、両者とも一点の曇りさえない。
「……冥夜」
『…そして私の代わりに、あの<殲術鬼>を屠り去ってくれ。彼奴の胸のコクピットを狙って命中したら二人が同時に操縦桿のボタンを押す。それで終わりだ。……此度の事、全て終わったら祝杯を』
「…うん、分かった。見ててね、冥夜」
そこで通信が切れた。
俺たちは純夏の背中と俺の胸が密着した少し気恥ずかしい複座状態で<武御雷>の座席に跨り、二人の生身(?)の人間に翻弄された哀れな<殲術鬼>を完全に沈黙させるため<武御雷>を再起動させた。

   *   *   *   *   *

<武御雷>の再起動を確認した途端、先ほどの通信中でさえ戦闘を離脱しなかった冥夜は、ここで改めてティアマットとの戦線を離れ、戦術機の方向へと疾走し直した。走りながら左手の腕時計に向かって叫ぶ。
「<武御雷>、千秋楽……<天照>降臨!」
冥夜の声に呼応して<武御雷>の目が輝き、喉元の装甲が両側にスライドして開く。開いた中央には白金に輝く剣の柄が用意されていた。続いて冥夜が全力で<武御雷>向けて跳躍する。そして跳躍の頂点で皆流神威を 両手で構え喉元の柄に力一杯収める。
「そなたが真の御霊、この御剣冥夜と皆流神威が与える…神を僭称する不埒な巨人の木偶、打ち滅ぼす為に!」
その言葉を力強く、高らかに叫んだ後、冥夜は両膝をついて砂浜に倒れ込む。戦場を離脱した遙と水月がすぐさま冥夜をリムジンに収容する。微かに苦悶の表情を浮かべ運ばれるがままの冥夜。
(まだ、完全には回復していなかったか……)


冥夜がこいつに刀を挿し込んだ瞬間、コクピット内部に微かな律動の響きが聞こえるようになった。この<武御雷>の心拍か? いや、でも、こいつは戦術機だろ…
「あ、タケルちゃん、動けるようになったよ」
「お、おう…って、複座つっても、どっちが何の担当なんだ?」
『純夏が<武御雷>操縦と近接戦闘担当、タケルが、頭頂部から放つ<因陀羅>照準合わせ・射撃の担当 …と思えばよい。他の兵装はおそらく不要であろう』
「了解! いくよっ」
言うが早く純夏は操縦桿とフットペダルと素早く操る。…速い。俺が<御門武>で全速力を出したくらい、いやそれ以上に速い。そんな挙動を純夏は軽々とした操作で繰り出している。走り出してからものの1、2秒で一気に間合いを詰め、ティアマッ トの懐に入り込む。水月さんはそれを見て取り戦線を離脱。俺たちに主戦場を譲ってリムジンの場所までゆっくり退避していった。

「いっけぇぇぇ〜!」
懐に入るが速く、純夏が繰り出すワンツー連打が的確にティアマットを捉え、一撃一撃が簡単に奴の装甲を簡単に歪め、壊してゆく。あいつ、いつの間にこんなに…
「わたしの中を、散々覗いてくれたわねっ! おかげでタケルちゃんに言いたくないことまで言わされて! まじ頭にきてんだからねっ!!」
十数発のコンビネーションパンチから、最後に腰の乗った右のフック。そいつを容赦なく、ぐらついた<殲術鬼>の醜く開いた顎部へ叩き込む。体重の乗った一撃がしっかりと顎を捉え、下あごを破砕して丸ごと吹っ飛ばす。顎だけが遠くの海原まで吹っ飛び、派手に水飛沫を上げて落水する。
残されたティアマットの無様な本体はフックの衝撃を貰って立っていた場所でもんどりうって倒れる。

……強い。強すぎる。俺が<御門武>で戦って散々玩具にされた相手なのに、純夏が操る<武御雷>だとこうも簡単に嬲り者に出来るっていうのか。これは純夏の操縦能力なのか、それとも、この<武御雷>の真の能力<天照>ってやつの賜物なのだろうか…どちらにしても、俺の想像以上の戦闘能力だ。どっちにしても、すげえ。
「純夏、お前…」
「……あ、えーと、タケルちゃん? えと、あの…さ、さっきのは、独り言だから、ね!」
「そうじゃねーって…お前、そんなすげぇ操縦技術、どこで…」
「これは、多分…わたしの持ってる力、<祝福>っていうのかな? なんだよ。うん。だって、別に意識して動かなくても、自然と操縦できちゃんだもん」
それは、あれか? 水月さんや冥夜が超人的な運動能力持ってたり、遙さんが時間を止めて世界を思うがままに動かしたり、そんな能力、<祝福>が、お前にもあったって事か?…人間、よく分からんところで才能があるもんなんだな。
「それよかタケルちゃん、ちゃんと射撃準備してる? ぜんぜんさっきから攻撃してないよ?」
「っつーか、お前が凄すぎてビビってたんだよ」
「ふっふっふー、そういうことにしといてあげるよ。んじゃ、わたしに任せてよっ!」
さっきまで泣き叫んでたこいつとは、まるで別人だな。俺が圧倒されっ放しだぜ。

「よし、とっとと終わらせて……っ!」
しかし、実はここに伏兵がいた。そいつ=巨大な水龍は海中から突如姿を現す。黄色く濁った鋭い目と漆黒の皮膚が不気味に映える姿をした水龍が、大口を開けて激しい咆哮を上げる。咆哮の衝撃が空を割るように響きわたり、リムジンに乗らず戦況を見守り待機してた遙さんや水月さんが衝撃で吹き飛ばされて見えない壁に叩きつけられる。
「……」
「っ!…」
二人ともがそのまま意識を失う。まずい、このままだと…
更に水龍はこれ見よがしとばかりに、守りのないリムジンに襲い掛かろうと動き出す。純夏はそれを見てすぐに<武御雷>を反転させて助けに入ろうとしたが、足許に絡みつくティアマットの腕に脚を取られて身動きが取れなかった。
「って、離せー、離しなさいよー!」
俺は慌てて射撃の照準をセットした。狙いを定めて…撃つ! 頭頂の角から放たれた光線は的確に水龍を捉えて打ち砕く…どころか、当たった光線は漆黒の皮膚によって四散し、無力化されていく。駄目だ、俺たちじゃもう間に合わない。
「まずいぞ、あれじゃあリムジンが逃げようと逃げられまいと、誰かがやられちまう……」
「……」

   *   *   *   *   *

俺と純夏が二人とも諦めて状況を見守っていたその時、輝く巨大な掌が飛来し、水龍を撃ち落す。
「なんだ、ありゃあ…」
俺たちは掌が飛んできた元の方角に振り返った。この階層の入り口。そこに立っていたのは、彩峰の戦術機である<迦具土>だった。

>>>Another03の終わり、の続き。


見る限り、どこも損傷していないように見える。
「彩峰、無事だったのか?」
『……ほら、白銀、やっぱりお馬鹿さん』
『タケルさん、純夏ちゃん! 無事だったんだね〜!』
「うん…ありがとう、壬姫ちゃん、彩峰さん」
『鑑さん、その格好っ! …白銀君、貴方、ケダモノね』
賑やかしく通信ウインドウを開きつつも、メインの衛士の彩峰がしっかりと操縦して敵に向かって跳躍。華麗なドラゴンキックをぶちかまして敵の水龍をリムジンや遙さん達から大きく引き離す。…あの戦術機、あんなに素早かったっけ?

そんな戦況を冷静に見ながら、俺は通信画面に反論した。
「な、何でそうなるんだよ! 違うって、まだ何も…」
しかし、その中途半端な反論が却って連中を刺激したらしい。
『聞いた? 「まだ」何もしてないんですって』
『……する気、あった? …白銀、なかなか野獣だね』
『あはは、タケルさん、純夏ちゃんにベタ惚れですね〜』
ったく、戦闘中だってのに、何でこう賑やかになるんだよこいつらが集まったら!
「そういうんじゃなくてだな、その、あれだ……」
『……あいつは私たちが。…そっちは、足元の情けないのを』
…彩峰は落ち着いてるのか、超絶マイペースなのか分からねぇな。まあいいや、もう一匹の心配をする手間が省けたってもんだ。それに、余計なことを言わされずに済んだしな。良しとしてやろう。

「よし、任せた! んじゃ、こっちは純夏に任せた」
『白銀君? こういう時くらい格好良く「純夏、俺に任せろ」とか気の利いた台詞言えないの?』
「……委員長、その台詞、純夏の操縦見てから言ってくれ」
「そうだよ、榊さん。わたしの方が、タケルちゃんより全然イケてるんだから!」
言うが早く純夏は操縦桿を小刻みに捌き、倒れ込んでいるティアマットの首根っこを右手で引っ掴んでそのまま掴み起こす。ティアマットは自分の両腕を大蛇に変えて迎撃体制を取ろうとするが、<武御雷>の繰り出す左手の強烈なパンチ連打で腕から作った大蛇は粉砕され、また作り直しても今度は腕から引き千切られてまるで歯が立ってない。
「なにさ、この、このっ!」
純夏の握る操縦桿が踊り、左の拳の連撃が容赦なくティアマットという名のサンドバッグに降り注ぐ。
ティアマットはこの状況から抜け出そうと続いて膝蹴りで攻撃してくるが、二、三度膝蹴りを繰り出したところで純夏が<武御雷>の背中からブレードを抜刀。抜き身からの一撃で脚そのものを完全に股下から切り裂き、事も無げに海の奥へと放り出してしまう。
純夏が操縦してい る間、俺はただ見ているだけしか出来なかった。正直少し格好悪かったが、ここまで当たり前のように<武御雷>を乗りこなし、俺だと余りの速さに凌駕されっ放しだった<殲術鬼>を手玉に取る純夏を見てると、不思議と自分の不出来に腹が立たなかった。

(つーか、どえらい相手とくっついちまったのか、俺って?)
そういう場違いな不安がよぎったりはした。まあ、それでも、戦術機から降りちまえばいつもの純夏だろうけどな。
なんて考えてる間にも<武御雷>の右手に握られたティアマットの頭と胴体しかない残骸は、最早神の声も発することなく打ちひしがれてあちこち歪みまくっていた。<武御雷>の右手が残骸を手放し軽く宙に放り投げる。
「タケルちゃん、いくよっ、止め!」
「お、おう…」

>>つづく
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