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「俺が望むマブラヴ」〜私が渇望し、希求したマブラヴのかたち〜

第十三章・後半

純夏がここまで悲痛な叫びをあげられるなんて知らなかった。思ったこともなかった。
そりゃ、冗談半分で俺が殴って殴り返されて、死ぬとか死なないとか言い合ったことはある。喧嘩したことも少なからずある。でもあいつは、純夏は、最後には純夏の方から俺に笑ってくれてた。結局は一緒にいてくれた。それが今、泣いて叫んで俺を拒もうとして、でも俺の告白には耳を傾けてくれて…
ここでこいつを離しちゃいけない。今度こそ。決意が再び俺の中で湧き起こる。
俺はできるだけ優しく、咎める調子のないように言葉を選んで返した。
「それは、お前、…操られてたから、とかじゃないのか?」
「違うよ、わたしの本心だよ…だって、冥夜がいなくなったら、もしかするとタケルちゃんが私の方を向いてくれるかも知れないでしょ? タケルちゃんが選ぶ一番の選択肢を、わたしの手でなくしたかったんだよ! あの時、わたし、本当に冥夜がいなくなれば、って思ってたよ……冥夜はわたしのこと、認めてくれたのに……ちゃんとあの時、『純夏』って、呼んでくれた……なのに、わたしずるいよ! 冥夜を殴った時、わたし、心の中で本気で嘲ってた、楽しんでた! わたし、本当に最低だよっ!! …そんな最低の自分が、怖いんだよ…」
「……」
なんて声をかけてやればいいのか、一瞬分からなかった。でも、気付いたら言葉が勝手に俺の口をついて勢い任せで吐き出されていた。
「うっせー! そんな最低なお前を本気で好きになった俺だって、お前に言わせりゃ最低ってことだろうが! 考えてもの言えよこのバカ!」
俺の余りの大声に一瞬びくっとしたが、純夏はまたすぐにむくれて、
「……どうせわたし、バカだよ。最低だよ…もういいよタケルちゃん、わたしに期待させないでよ! さっさと諦めさせてよ!」

今の言葉、マジで頭にきた。
なんだよ、俺のことバカにしてんのかよ。俺はお前じゃなきゃ嫌だっつってんだよ。
世界を動かせる大金持ちのお嬢様がお相手だ? そんなもん知るかよ。どうせ庶民の生まれで庶民の事しか知らない俺にとっては、どんなに美人だろうが頭が良かろうがスタイル抜群だろうが、遠い世界の他人様なんだよ。昔のあの約束だって、あいつがそんな偉い人間だって分からないガキの頃だから何の遠慮会釈もなく出来たんだよ。
今じゃあもう、有効期限切れてたんだよ、俺の中で。
約束がもう切れてたってことに、お前が気付かせてくれたんだろうが。
「うっせー、人の話聞け、勝手に自己完結してんじゃねーよ!」
気がつくと俺は純夏の頭を叩いていた。頭で考えるより前に手を出しちまった。やっちまったよ…いつもの調子で。ええい、ままよ。

「俺が好きだって言ってるのはな、目の前にいる、お節介で、生意気で、大した取り得も無くて、胸も大きくなくて、バカで……でも、それでも、ずっと俺と一緒にいてくれた、お前なんだよ! バカ! 分かれよ! お前が自分の事最低だって思ってるんなら、お前が一緒にいてくれないと駄目な俺は、もっと最低だろうが。
お前さ、昔俺が別の女の子に振られた時だって、俺のこと慰めて笑わせてくれたろうが。あれがなかったら俺、マジで学校逃げ出して登校拒否してたぜ。
それにな、お前、俺が文句言ったって胸触ったって、結局毎日朝起こしに来てくれてただろ? あれな、俺、今だから言うけど、マジで感謝してるよ。そんで、たまにお袋がいねー時とかには弁当作ってくれたりしたろ? あれだって本当はすっげー恥かしかったけど…教室で一緒に食ってると、お前がほんと嬉しそうに笑って見てるから、我慢して食ってた。…お前のこと嫌いだったら、最初から全部…」
気が付くと、純夏は大声上げて泣いてた。俺が見てるのも構わず、泣き叫んでいた。さっきよりも派手に泣いてた……って、なんだ、俺、また何かマズいこと言ったか? ってか、よくよく考えたら今言った台詞って、好きな相手に言う言葉としちゃあちょっと、いや相当乱暴でよくないんじゃないか、おい。
…マズったかなぁ。霞…は何時の間にかいなくなってる。フォローの一つもして欲しかったんだが。まあいい。兎に角泣いてる純夏の肩を抱いて顔を覗き込んでみる。うわ、純夏の肩ってこんなすべすべしてたのか。「絹のような肌」って言葉もあながち嘘じゃねぇんだな。
いや、そんな感触に浸ってる場合じゃなくて、俺!
「なあ、おい、どうして泣いてるんだよ?」

「……嬉しいんだよぉ」
涙声で純夏が答える。傍目に見たら「嬉しい」の言葉の意味を勘違いしてるようにしか見えんぞ。
「はぁ?」
もう何が何だか訳が分からん。女のことなんて俺はさっぱりだからな、こんな問答の後じゃあ手も足も出ない。もう間の抜けた問い返しの声しか出せなかった。それに帰ってきたのは、耳が痛くなるような大声。
「…だからぁ、タケルちゃんが何回も好きだって言ってくれて、すっごく嬉しかったんだよぉ!」
あーあー…泣き崩れて鼻水まで出しやがって。顔がぐしゃぐしゃだろうが。
「いや、だから、分かるように説明してくれ。嬉しくて、そんなボロボロ泣くのか、女ってのは?」 暫くの間泣きじゃくってた純夏だが、漸く落ち着いたのかさっきの質問に答えてくれた。
「だって、タケルちゃんが、何の取り得も無いわたしを選んでくれたんだよ? そりゃあ嬉しいよ…わたしは、冥夜みたいにお金持ちでもないしタケルちゃんのこと守ってあげられる剣術の腕もないし、壬姫ちゃんみたいに可愛いところも愛嬌もないし、彩峰さんみたいに胸がおっきくて運動神経いいわけじゃないし、榊さんみたいにしっかりしてて何でも要領良くできるわけでもないし……それでも、タケルちゃんは、わたしなんだよね? タケルちゃんは、わたしのことを、好きだって、言ってくれたんだよね?
今ここだけで、取り繕って言ってくれてる訳じゃないんだよね?」
「うるせぇな、聞き返さなくても、告白したのは俺がお前にだ。分かってること聞き返すな」
そこまで喜んでくれたってのは嬉しいけど、正直照れ臭い、つーか居心地が悪い。やっぱり「好き」とか何とか言うのは、俺には向いてねぇよ…
「言ってくれないと不安だよ、いっぱいいっぱい、言ってくれないと怖いんだよ」
純夏はどこか必死になって、俺に訴えた。余りに真剣だったので、すぐに言葉が返せない。喜んだり泣いてみたり、かと思ったら怒ったり。ほんと感情変化の激しい奴だな、こいつは。ああ、もういい。そんなに不安だってのなら、幾らでも言ってやるよ。恥かしいとか格好悪いだなんて、今更関係ねぇ!

「心配すんなよ、好きだ、好きだよ! お前が泣きたいんだったら、今からだって俺の胸で泣かせてやる。思う存分泣け。俺、今までお前の愚痴とか、お前の辛いこととか、お前がひとりで背負ってきたこと、全然気付かなくて聞いてやれなかったけど、今からは違う。 ……だって、お前さ、ずっと俺の重たい気持ちを受け止めて、一緒に背負ってくれてたんだろ? だったら、今日からは、俺がお前の辛い気持ちを受け止めてやる。何がどうなったって、お前はお前だろ? だから、もう二度と、誰かとお前を比べて好きとか嫌いとか、勝手な比較すんな。いいか?」
純夏が俺の正面に向き直る。肩を抱いていた格好から、丁度抱き合う格好になる。今まで知らなかった密着感と、泣き腫らした顔の純夏の痛々しさが一度に俺に伝わってくる。俺はそのまま両手で胸の中に収まった体を、それこそ壊れものを包み込むようにそっと抱き締めてやる。柔らかい、心地よい肌の温もり。やっぱりこいつも、ちゃんと女の子なんだなぁ。上品な感想じゃないが、でも体で感じたことっていうのは、正直な感覚だよな。
「うん…そうだね、わたしはわたし…で、いいんだよね?…でも、わたし、あの時、もう振られたと思ってたんだよ?」
「あの時って……っ!まさか、あれか?」

まさか、純夏のやつ、あの酔っ払って俺に絡んできた時のあれ、本気だったのか?
そんなの、そんなこと、俺にできるわけないだろ…あんな急に生々しい感触が来たら、よほど女と遊んでる奴じゃない限り、逆に焦って気後れするって。
「…酔った勢いで絡んできた幼馴染みとやっちまえる程、俺も狼じゃないぞ」
「わたしは、いっそタケルちゃんが見境ない狼だった方が、嬉しかったよ……わたし、タケルちゃんの言葉、今すっごく嬉しいけど、でも、それでも怖いんだよ。人を蹴落としちゃう程タケルちゃんのこと好きなんだよ、わたし。もしまた、タケルちゃんに近寄ってくるコがいたら、多分、きっと、わたし、その子に酷いことしちゃうよ…わたし、ずっと、不安だよ。好きだって言ってくれても、まだ不安だよ。だって、わたしより魅力のある女の子なんて、いっぱいいるし、それに…」

『最初から、うまくできる人なんていない…』
俺の背後に突然霞の声がした。振り返ると霞自身が直立して俺たちを見下ろす格好になっていた。
「霞……おまえ…」
「霞、ちゃん?」
霞はまるで別人かのように、例えるならこの世のものではない霊的な存在かのように厳粛に俺たちに言葉を紡いだ。
『誰の心にも、闇はあるから。自分の好きな人にも、見せられないような闇が。でも、それを私は私の闇として逃げずに認められた』
「待てよ、俺は、闇だろうが何だろうが、こいつが好きだって決めたんだぜ? それでいいんだろ?」
霞は俺の言葉に耳を貸さず、純夏に向かって言葉を続ける。
『…心に闇がないと信じてる人間は、闇を知って克服することも知らず、気付いた時闇に負けてる』
霞は顔を逸らして俯き加減の純夏に近づき、純夏の顔の向いてる方に立って続けた。
『タケルちゃんだって、私に好きだっていうまで、ずっと不安だった。拒絶されて、困ってた』
「・……そうなの?」
「…って、俺に、聞くなよ…恥かしいだろうが」
俺は急に話を振られて、自分の告白の格好悪さにばつが悪くなってきた。多分さっきのあれは、告白の中では最低の格好悪い部類だろう。てゆーか、単に思いつきをぶつけただけだ。蒸し返されると余計に恥かしいやら、情けないやらだ。
『だから、一人で抱え込んじゃ駄目……私だって、傍にいるから。今は、タケルちゃんも一緒』
「あれ? 霞ちゃん……?」
不意に霞の姿が消えた。さっきみたいに見えなくなったのか。

だが、俺は気付いた。さっきまで霞のいた場所に、古ぼけたウサギのキーホルダーが落ちていた。
俺はそれを手に取って眺めた。違う、 俺があの夜拾って持ってて、純夏に返してやろうとしてたものじゃない。何だろ、これ…
「なあ、これ…」
「うん…わたしの、だよ」
『だから、笑って……笑って、すみか』
純夏は背中に回った俺の手の中からキーホルダーを受け取る。もしかすると俺の知らない思い出の品なのかも。できれば、俺の知らない男に貰った、とかじゃなきゃいいけどな。
「ありがと……かすみ」
「え、何か言ったか?」
「……あ、え! な、何でもないよ…あ、あはは」
誤魔化しながらあからさまな作り笑いを浮かべる。それから純夏が、俺を上目遣いで見つめて優しく訊ねた。
「あのね、タケルちゃん……お願いが、あるんだけど?」
ああ、お前の「お願い」の意味は俺もわかってる。俺だって、そうしたいから。
純夏の肩に手を置いて、そっとお互いの顔を近づけて…

   *   *   *   *   *

しかし、その時、まさに唇が重なろうとする瞬間、世界は光と音を取り戻していった。

目の中に光が入ってきたのに気付いた俺たちは目を開く。
するとさっきまで俺たちが戦っていた砂浜の一角に腰を 下ろしていた。俺の方はいつのまにか元の防護服に身を包んでいたんだが、純夏は…元の、裸のままだ。
更に辺りを見回すと、俺たちの目の前で<武御雷>が直立したまま。その向こうでは左手に水月さんを握り締めたティアマットが、うつ伏せになって倒れた<御門武>に跨ったまま。
そんな状態のまま時が止まっていた。そこで思わず、お互いどちらからともなく顔を離し、俺は抱いていた肩から慌てて手を離す。
「って、おい、何でお前服着てないんだよ!?」
「そんなこと、わたしに聞かないでよぉ……だって、別にわたし、今ここで服脱いだわけじゃないんだから。わたしだって、恥かしいんだからね!」

「ふたりとも、おかえり」
気付くと、慌ててる俺たちを尻目に落ち着いた遙さんが声をかける。余りの神々しさに、本物の時の女神が現れたんじゃないかと呆けてしまった。純夏も、突然現れた白一色の遙さんに言葉もなく見惚れていた。
「ごめんね、その…私がお邪魔なの、分かってるんだけどね…もうすぐ、時間が動き出すから。二人とも、ここでもうひと頑張り、して貰えるかな?」
遙さんは微かに頬を赤らめつつ気恥ずかしそうに俺たちに促しつつ、白い布を純夏にかけてくれた。よく分からないが、用意がいい。 こんな状況だから流石に服までは用意してなかったろうが。
「あ、いえ、その、あの、お、お邪魔だなんて…」
「タケルちゃん、思いっきり格好悪いよ…もっと堂々としてよぉ」
言いながら純夏が体に布を巻いて体を隠す。胸元が微妙に見えるのが、健全な青少年の俺にはちょっと刺激的だが、文句を言ってられる状況でもないだろう。
「だ、だって、お前、その、やっぱ、その、ファースト…」
「来るよ。時間!」
遙さんの言う事が俺にも分かった。静かな響きから、微風、ざわめき。そして一滴の水の音…

目の前の全てが、再び動き始めた。ティアマットの手に握りつぶされそうになって、微かな隙間でもがいている水月さん。短刀を構え直し、一歩一歩歩きながら相手の隙と動向を見計らう月詠さん=<武御雷>。そして、その<武御雷>の背中から、ことの成り行きを見守る俺たち。
「っ!! 離しな、さいよ…」
禍禍しい巨大な手の中で抜け出そうと必死に動き回る水月さん。しかし両手の巨剣までもがその掌中にある今、彼女がティアマットの掌握から抜け出すのは不可能に思えた。さながら指人形を握り締める大人、いや、それ以上の体格差がある相手だ。幾ら水月さんの身体能力が超人的だとしても、相手は巨大な機械の鬼。それも最強と言われる相手。
《まあ……飼い犬がご主人様の手を噛むだなんて、お戯れも程ほどになさい…速瀬、水月さん?》
「ぐっ……だ、誰が、あんたの…飼い犬、ですって?」
今まさに巨大な手に握りつぶされようとしてるのに、水月さんは屈しない。
《そう…なら、あの世で後悔なさい。自分が跪くべき相手に片意地を張って殺されたと!》
<その言葉、汝にそのまま返そうぞ>
《誰ですか? 私にそのような物言いをするのは……きゃ、きゃぁぁぁ〜〜〜っっ!!》
キャノピーの割れ目から垣間見えた光景は、余りにも凄惨なものだった。
コクピットの中のケーブル、部品、そういったもの一切合財が飢えたケダモノの如くティアマットのコクピットに居座っていた白衣の貴婦人に襲い掛かり、全身を貪り喰らうように突き刺さり、埋め尽くし、蹂躙した。数秒間そんなおぞましい血と肉と機械の陵辱劇が遠くのコクピットから垣間見えてたかと思えば、血まみれの金属・ケーブル類が瞬く間に再生し、派手に壊れて丸見えにされたコクピットの破損部分は血と金属の混合物によって勢い良く埋め尽くされる。
「い、一体、何が…?」
「…血の制御が失われて、ティアマット本体が暴走し始めたんだよ」
純夏が真顔で呟いた。
「ティアマットのドミナスは<楽園の蛇>神無木頼子なんかじゃなくて、わたしの体。私の血と肉と、…破壊衝動。それがあの子のドミナスなの」
「そうだね…純夏ちゃんは、その力を暴走させないように白陵柊に入学したんだよね…」
振られた勢いであんな化け物動かせちまうって、こいつ一体どういう人間なんだよ?


神無木頼子の血と肉を貪ったことによってティアマットはそれまで同様の力と制御を取り戻したらしく、再び奴の巨大な手が水月さんを遠慮なく締め上げる。
「……っ、……」
<たかが楽園の蛇などと僭称する人間如きに、我を操られてたまるものか。我は再び原初の神となりてこの荒廃した世界を洗い流し、清浄なる民を再び世に送り出さん。我こそが神…>
次第に水月さんの足掻きが小さくなり、動きがなくなっていく。
これは幾ら何でもまずいんじゃないか、これは。
「水月さん! …遙さん、貴方の力で何とか……っ!」
そう思った矢先、<武御雷>が一足飛びにティアマットの懐に入り込み、短刀の一閃。流石にここ一番を狙い済ましてフォローに入ってくれた。しかし、ティアマットはその挙動全てを見計らっていたかのように<武御雷>を懐まで誘い入れ、短刀が振りかざされる寸前になって神速の右回し蹴りを<武御雷>脇腹に強烈に叩き込み、更に追い討ちとばかり水月さんを握り締た左拳を使って<武御雷>の顔面目掛けて力任せの暴力的なストレートを叩き込む。
<武御雷>は防御も出来ず派手に吹っ飛ばされ、俺たちの足許寸前十メートルの辺りに無様に落下する。あれだけ思い切り殴られて、機体が大破しないのが信じられない。
一方の水月さんは殴られた時の衝撃をまるまる受け止める格好になってしまい、奴の拳の中で大きく口を開けて不恰好に血を吐き出す。
……やばいじゃねぇかよ。これじゃ、純夏を連れ戻したって生きて帰れやしねぇんじゃねぇか?
「遙さん、水月さんがまずいですよあれじゃあ…何か、手はないんですか?」
「うん…もう、来るよ」

>>>Another03(冥夜)続き。

「待たせたな、タケル!純夏!」


声の主の方を見ると、白陵柊の制服姿の御剣冥夜が立っていた。いつの日か見た60メートルはあろう長大なリムジンのボンネット(と呼ぶのか、あんなくそ長い車のでも)の上に。皆流神威を杖のようにリムジンのボンネットに力強 く下ろすその姿は、俺の知ってる自信と気力に溢れた御剣冥夜そのものだった。

(第十三章・おわり。次回最終章。)
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