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作:N・RYAN
新しい世界へ…
☆競作SS展示場
(3)the letter
☆競作SS(第二回)
(2)雨宿り
☆競作SS(第一回)
 
競作SS・題「新しい世界へ…」/作:N・RYAN
 


始めに…SSを書く都合上、涼宮ママ=薫子、同パパ=考とさせていただきます。


今、私は、考さんと実家に向かって歩いている…。考さんとは、白陵大教育学部で知り合い、3年前から付き合っており、今では、両家公認の仲で、家族ぐるみの付き合いをしている。形式だけとは言え、今日、考さんが、私の親に結婚を承諾して貰うための挨拶をする事になっている…。隣の考さんを見ると、緊張してるようで、手と足が同時に出ている…。
この人って、顔に似合わず、こういうとこあるのよねえ…と思わず可愛くなり、笑ってしまう。
「薫子さん、何笑ってるの?」と考さんに聞かれるけど、本当の事など言える訳も無く、「なんでもない」と笑ってごまかす。
そんなやりとりをしているうちに、私の家に前に…。門を開け入ろうとするが、考さんが、私の家を見上げて動かない…。
ただ、形式的に挨拶するだけなのに、この人、ここまで来て、何やってるんだろう…と思わず呆れてしまう。この人、真面目すぎるのよねえ、良くも悪くも・・・。まあ、そこに惚れてしまったから文句も言えないのだけれど・・・。
と思いながらも、考さんの腕を強引に取り、家に入って行くと、お父様とお母様が待ち構えており、笑顔で考さんを歓迎し、ソファに座るように、座るように勧めるも、考さんは、ガチガチのようで、固まってしまっていて、動けないみたい…。
これを見て苦笑いしたお父様が、「考君、そう緊張しないで、楽にしたまえ。知らぬ仲でもないだろう?」と助け船を出すと、やっと考さんは、少し緊張がほぐれたのか、ソファーに座る。お父様は、それを見て、考さんの隣のソファーに座り、
「考君は酒はいけたよな。おい、お母さん、新潟から送って貰ったあれ、持ってきなさい。」と言い、いつものように考さん相手に談笑を始める…。ちなみに、あれとは『越○○○』という銘酒で、手に入りずらい物…。
お母さんが、『あれ』を持ってくると、考さんは当然のように驚き、父を見ると、考さんを見てニヤニヤしている。
この席には、こういう酒じゃないと釣り合いがとれない!と言いたいのか、うちの娘は酒でいうなら、これに値するんだぞ!と言いたいのか、両方なのか解らないけど、考さんにとっては物凄いプレッシャーなんだろう、テーブル中央で存在感をアピールする銘酒を見据えて、周りが見えていないようだ。それを見た父は、すっと酒を取り、グラスに注ぎ
「酒は見るもんじゃなく、飲むもんだろ?」と一言残し、考さんに杯を勧め、2人が丁度飲み干したのが合図のように母が来て、舞台を居間から客間に移して、いよいよ、形式だけの儀式が始まって行く…。

「お父さん、お母さん、薫子さんを、僕にください!」と考さんがお決まりの口上を父と母にに言う…。
母が「娘をお願いします…」と言い、やっと、この時が…とホッとしていたけど、父の声が一向に聞こえてこない・・・。
父の顔に目を向けると、口を結び、目を閉じ、微動だにしていない。考さんや母も、不審に思ってようで、父の顔を見ている。
しばらく後、「考君、娘を貰ってもらうのは、賛成なのだが、1つだけ条件がある…」という父の発言に、3人は顔を見合わせ呆然とする・・・。「条件とは、この家に同居する事。できれば、養子に入って欲しい。私と母さんと一緒に暮らしてくれれば、それでいい。考君、まさか私らの事、嫌いではないよね?」と父・・・。
母は聞いて無かったようで、一瞬驚きの表情を見せたが、父の意図を理解したのか、笑っている。厳格な父に即答を迫られた考さんは、混乱状態になったのか、しばらく無言だったが、やっと「僕は次男ですし、柊町に家を借りるつもりだったので、構いませんが…」と発言、
緊迫していた場の雰囲気がやっと和む…。父は「そうか!それなら、何も文句は無い。薫子も君みたいな人に貰ってもらい幸せだよ。
これからも、よろしくな!そうそう、今日からお義父さんと呼びなさい、考君。もうこんな時間か。薫子、松坂の友人が送ってくれたあれを料理しなさい」と上機嫌で考さんの肩を叩いている…。言われた通り、キッチンに行き、冷蔵庫から、松坂牛を4人分焼き、
ボウルにサラダを入れ、ビールを出してテーブルの上に載せ、準備が整うとリビングにいる父と母と考さんを呼ぶと、歓談となった…。

〜それから、数年後の3月〜


3月22日、私と考さんの間に、女の子の第一子が産まれた。考さんは、大喜びしており、さっそく親バカぶりを発揮、名前をつけるにも、姓名判断などを参考に、学者肌の人間らしく、あーでもない、こうでもないと日夜頭を悩ませている。
そんな姿を見ると、微笑ましくて、考さんをからかって、笑っていたけど、夜も寝ないで…となるといきすぎだと思う。
少しやつれた気もするし…。考さんが倒れる前に、なんとかしないとと思い、お父様、お母様に相談、最終候補に『遙』、『一代』が残り、4者会談で、『遙』と命名された。名づけ親という事もあって、お父様、お母様の遙への可愛がり方は尋常でなく、この為に、私達に同居を求めたのではないかしら?と思うほどの溺愛ぶり…。
お父様は、考さんとどっちが抱くかで、毎日争ってるし、お母様は、その争いを横目に、気づくとしっかり遙を抱いている…。
毎日が、この繰り返し…。最初のうちは娘に嫉妬もしたけれども、今は、慣れてしまい、微笑ましく思うようになった私がいる。


〜遙が生まれて4年後の10月〜


10月20日、次女が産まれる…。考さんとお父様は男の子を望んでいたらしく、最初は2人とも残念がっていると、
母の「そんな事じゃ、産まれてきた子が可哀想でしょう!男でも女でも祝福してあげないでどうするんですか!」という激に病院は一転、静寂となる…。
私も母と同意見。産まれて来た子は、全て平等に祝福するべきだし、いらない子というのは絶対に、存在していないと思う。この母の激に全員が納得、結局、父も考さんも、バツが悪そうな顔しながらも、祝福してくれた。
次女の名前は、考さんが「今度こそ俺がつける!」と譲らず、遙か雄大な茜色の空のように、健やかに美しく育って欲しいという理由で、遙に倣い一文字で『茜』と決まった。同時に、次に子供が産まれたら雄大か空になる事も確定。思わず笑ってしまう・・・。
茜を一番可愛がったのは母だった。男を望んでた男性2人は、任せておけないとばかりに、茜につきっきりの毎日…。
そのせいで、私よりも母に懐いてしまい、典型的なお祖母ちゃん子になってしまい、母親としては、少し寂しい…。


〜そして時は流れ1998年・・・〜


考さん、遙と3人で行った買い物から帰ると、茜と遙くらいの男の子がロビーで私達を出迎えた・・・。
茜に聞くと、この方が遙のボーイフレンドの鳴海さんらしい。少し、考さんの若い頃に似てる…。親子って好みまで似るのかしら?と思ってると、考さんから「母さん、飲み物持ってきてあげなさい」という声がかかる…。慌てて、飲み物を持ってくると、鳴海さんの横に考さんが座り談笑している…。まるで、私が結婚を申し込まれた時の再現みたいで、思わず微笑んでしまう。
ガチガチに緊張してるとこまで、鳴海さん、そっくりですし。遙に彼氏が出来たと聞いた時は、心配だったけど、この人なら安心できそうと思いつつグラスを置くと、「あっ、構わないでください。もう、帰りますから」という鳴海さんの声。
が、茜や考さんに引き留められ、食事をしていく事に…。もちろん、こういう時の涼宮家の食事は『あれ』。
丁度、1人前だけ、神戸牛が余っており、考さんも当然のように、私に焼くように指示する…。
食事中、考さんはいつになく饒舌でお酒が進み、機嫌がいい。男の子と話す事がよほど嬉しいんだわと思い、鳴海さんに感謝する。茜は、「お兄ちゃん!」と、実の兄のように懐き、大喜び。鳴海さんが、遙と結婚してくれたら…と私も思う。
こうして、新しい世界と時代が進んで行き、家族が増え、小さいけど私達にとっては、一番大切な幸せが続いていく…。

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